海外ボランティアを通してアジアの社会問題を知る タイ編(留学プレス寄稿記事)

November 11, 2016

前回記事ではセブ島でボランティア可能なNGO, NPOについて書きましたが、今回はタイ・チェンライにあるNGOをご紹介します。

 

微笑みの国タイにも様々な社会問題が
タイと聞いて思い浮かべるものは、何でしょう。「お寺」「パクチー」「ムエタイ」「タイマッサージ」など。親日家が多いことでも知られ、プーケットなど有名なリゾート地もあり、日本人にも人気の高い国です。

 

▼チェンライ 白い寺院(ワット・ロンクン)

 
そのタイでも、様々な社会問題に直面しています。「高齢化問題」「貧困問題」「人身売買」など、特に地方において、その問題は深刻さを増しています。中でも山岳民族の人々の貧困や教育問題はタイの大きな課題の一つです。
 
山岳民族支援を行うNGO団体「ミラー財団」

 

ミラー財団(The Mirror Foundation)は、タイに住む山岳民族の生活の向上と文化・伝統の継承をサポートするNGO団体です。タイ北部の国境近くチェンライに位置するこの団体を筆者が初めて訪れたのは、今から4年前。それまでバンコクには滞在したことがあったのですが、全くの別世界に驚いたものでした。

 

▼山岳民族の村(アカ族)

 

▼山岳民族の村

 

バンコク経由でチェンライ空港に夜に到着してから車で40分くらい進むと、舗装されていない道を車は進みます。
 
「すごいとこに来たな。」
 
あたりは真っ暗だったのですが、うっそうとした自然の気配を感じました。翌日目をさますと、山が近く緑に囲まれた田舎にいることが分かりました。鳥のさえずりが聞こえ、小動物も見かけるような自然はほのぼのした雰囲気。敷地内には仕事や生活のスペースがあり、ボランティア活動で建築されたオリエンテーションができる建物の中で、ミラー財団の日本人スタッフ伊能さくらさんから、山岳民族が抱える様々な問題を教えてもらいました。

 

▼伊能さくらさん

 

経済的な貧困、人身売買、麻薬の乱用、文化・伝統の侵食、無国籍、初等教育不足、差別や偏見など、多くの問題にさらされているそう。
 
さくらさんがチェンライでの活動を開始したのも、大学生の際にフィールドワークで訪れたタイでそんな山岳民族の抱える厳しい現状を知ったのがきっかけだったと言います。
 
伊能さくらさんに山岳民族支援に関わるようになったきっかけを聞きました。
 
「私がタイのローカルNGOで働くきっかけになったことは、大学時代のタイへの留学です。留学中は、タイ北部の大学でタイの社会開発について学び、タイ山岳少数民族を支援するNGOミラー財団で2ヶ月ほどインターンをしました。

 

▼伊能さくらさん カレン族の村人と

 

インターン中に気が付いたことは、タイに住む山岳少数民族は、教育を全く受けておらず、貧困にあえぐ人々だから、先進国に住む私たちが援助しなければいけないという一方的なものではありませんでした。

世界がグローバル化している今、彼らのような社会的弱者が抱える問題の原因は、実は先進国に住む私たちにある場合が多いということです。私は、はっとさせられました。

留学中の生活は新鮮で楽しく感じられることもありましたが、カルチャーショックを受けて戸惑い落ち込むこともありました。いつも自分が慣れ親しんでいる環境から離れると、それまで自分が『常識」だと思っていたことが覆されることが多々あるからです。

日本からいらっしゃるボランティアやインターンさんが、ミラー財団での活動を通じ、日本にいては気が付かないこと、考えないこと、大学での机上では学べない多くのことを学び、自分はどう生きていくべきかを確信するきっかけに繋がったらと思い、今活動しています。」

 


▼村人との会議

 

現在、このNGOで行われているプロジェクトは以下のようなものがあります。
 
・タイ国籍取得運動プロジェクト
・Filme for Change(旧バンノークチャンネルプロジェクト)
・ICT社会開発プロジェクト
・街と村の文化交流プロジェクト
・フェアトレードプロジェクト
・若者育成プロジェクト
・子ども基金プロジェクト
・エコツアープロジェクト
・人身売買と不法取引撲滅プロジェクト
・自然災害防止と復興支援プロジェクト
・フリースクールプロジェクト
 
▼ミラー財団でのイベント ボランティアの人と

 

▼村の幼稚園での活動

 

▼村の子供達と

 

▼古着を利用した鯉のぼり作り

 

筆者も高校生や大学生を対象としたプログラムを作成する上で、何度かこの地を訪れました。アカ族やラフ族の村で受け入れていただき、村人との交流や地元の食材を使用した食事、自然の中でのシンプルな生活はなかなか得難い経験だったと思います。
 
▼山岳民族の村(アカ族)

 

▼アカ族の村での食事

 

▼アカ族の村での踊り

 

ミラー財団では、高校生や大学生・社会人のボランティアやインターンシップの受け入れも行っており、前述のプロジェクトに参加することも可能です。最近は文部科学省の「トビタテ留学JAPAN!日本代表プログラム」の奨学金を活用して参加する大学生もいるそうです。
 
【専門家の視点で考える成功のポイント】
タイのチェンライは比較的、治安の安定した地域ですが、気候や文化が日本とは全く違いますので、事前にしっかりと準備を整えた上でプロジェクトに参加することが重要です。
 
特に大切なポイントは以下のようになります。
 
・愛国心、国王(王室)に対する敬愛心
・インダイレクト・コミュニケーション
・宗教(タイ仏教)に対する信仰心
・家族を大切にする
・シャイな性格の人が多い
・時間に対する考え方
 
その土地の言語を話せると、地元の人との距離が一気に縮まることがありますが、タイでも同じです。挨拶や礼儀作法なども事前に学習しておくといいですよ。
 
学生の方は、ぜひ春休みや夏休みを使ってタイの文化に触れてみてはいかがでしょう。
 
▼ボランティア修了証を受け取る筆者

 

なお、こちらの団体でもボランティア活動として、近隣の学校で語学研修を受けながら、午後の時間などを利用して活動に参加することもできます。
 
活動内容は、子供たちへの食事支援や、日本語クラスのお手伝いなど、参加者の特技や趣味を活かし、様々な活動が体験できます。

 

 

"JOY OF WORK"

Ryugaku Sommelier

 

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